コラムをご覧いただき、ありがとうございます。 おそらく、静岡市(葵区、駿河区、清水区)でご自宅やご実家(一戸建て・マンション・土地)の売却を考え始め、「不動産売却って、何から手をつければいいの?」「全体の流れや期間がわからなくて不安…」「静岡市での売却は、どんな手順で進むの?」といった疑問やご不安をお持ちではないでしょうか。
不動産売却は、多くの方にとって一生に一度か二度の大きな出来事です。専門用語も多く、手続きの流れが複雑に見えるため、第一歩を踏み出すのに勇気がいるのは当然のことです。
そこでこの記事では、静岡市で初めて不動産売却を行う初心者の方でも安心していただけるよう、売却のスタート(準備)からゴール(引き渡し・確定申告)までの全体の流れを、7つのステップに分けて徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、静岡市における不動産売却の全体像と、各ステップで「何をすべきか」「注意点は何か」が明確にわかります。売却にかかる期間の目安や、不動産会社の選び方、売却活動の具体的な内容まで、皆様の不安を解消する情報を網羅しました。
静岡市で不動産売却を控えているご家族、将来のために全体の流れを把握しておきたい方は、ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、スムーズな売却活動の計画にお役立てください。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP1】準備と計画:相場を知り、目的を明確にする
静岡市での不動産売却を成功させる流れの第一歩は、「準備と計画」です。ここで土台をしっかり固めておくことが、後の流れをスムーズに進める鍵となります。
不動産売却の目的と希望条件を明確にする
まず、「なぜ不動産を売却するのか」という目的を、ご家族皆様で明確に共有しましょう。目的によって、売却活動の流れや優先順位が変わってくるからです。
- 「住み替え」の場合: 新しい家の購入と、今の家の売却、どちらを先に行うか(「売り先行」か「買い先行」か)という流れを決める必要があります。資金計画(いくらで売れて、次の頭金にいくら充てられるか)が非常に重要です。
- 「相続」の場合: 「相続した実家(空き家)の維持費が負担」「相続税の納税資金が必要」「相続人で売却代金を分けたい」など、ご事情は様々です。売却期限(例:相続税の申告期限、特例の適用期限)がある場合は、それに合わせた売却の流れを組む必要があります。
- 「資産整理・現金化」の場合: 「老後の資金にしたい」「不要な土地(遊休地)を整理したい」などです。「いつまでに現金が必要か」という希望時期を決めましょう。
この段階で、「希望売却価格」や「売却希望時期(いつまでに売りたいか)」を大まかに決めておくと、次のステップ(不動産査定)で不動産会社に相談しやすくなります。
静岡市の不動産売却相場と住宅ローン残高を確認する
次に、ご自身が静岡市に所有する不動産が「今、いくらぐらいで売れそうか」という相場を把握します。 国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や、不動産ポータルサイト(SUUMO、LIFULL HOME’Sなど)で、ご自宅(マンションや一戸建て)と似た条件(例:静岡市駿河区〇〇、築15年、70㎡など)の物件が、いくらで売りに出されているか、いくらで成約しているかを確認してみましょう。
以前、私が静岡市葵区で一戸建ての売却をお手伝いしたお客様も、最初は「ご近所さんが〇〇万円で売れたと聞いたから」という情報だけをお持ちでした。しかし、実際に静岡市の最新の成約データを一緒に確認したところ、その情報よりも500万円以上高い相場で取引されていることが判明しました。ご自身での簡易的な相場チェックは、後の不動産査定の「言い値」を鵜呑みにしないためにも非常に重要です。
同時に、売却する不動産に住宅ローンが残っている場合は、必ず「残高がいくらか」を確認してください。 不動産は、原則として住宅ローンを完済しなければ売却(所有権の移転)ができません。売却価格がローン残高を下回ってしまう(=債務超過)場合は、自己資金(貯金)で不足分を補填する必要があるため、売却の流れ(計画)を根本から見直す必要があります。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP2】不動産査定:信頼できる不動産会社を見つける

静岡市での不動産売却の流れにおいて、最も重要な分岐点と言えるのが、この「不動産査定」と「不動産会社選び」です。
不動産査定の種類:「机上査定」と「訪問査定」
不動産査定には、大きく分けて2つの方法があります。
- 机上査定(簡易査定): 物件の現地確認は行わず、所在地、築年数、面積などのデータと、静岡市の過去の成約事例(相場)などに基づいて、おおよその査定価格を算出する方法です。 メリットは、手軽に早く(数時間~1日程度で)相場観を知ることができる点です。 デメリットは、物件固有の状況(日当たり、眺望、室内の綺麗さ、リフォーム履歴、周辺環境など)が一切考慮されないため、査定価格の精度が低いことです。
- 訪問査定(現地査定): 不動産会社の担当者が実際に静岡市のご自宅(現地)を訪問し、物件の状態(建物の劣化具合、室内の状況、日当たり、周辺環境など)をプロの目で直接確認した上で、詳細な査定価格を算出する方法です。 メリットは、物件の良い点・悪い点の両方を価格に反映させるため、非常に精度の高い(=実際に売れる可能性が高い)査定価格を知ることができる点です。 デメリットは、担当者の訪問日程調整や、査定書の作成に数日~1週間程度かかることです。
静岡市で具体的に不動産売却を検討されている方は、必ず「訪問査定」を依頼しましょう。机上査定の価格は、あくまで参考値です。
静岡市での不動産会社の選び方:大手と地元業者の違い
静岡市で不動産査定を依頼する際、「全国展開の大手」と「静岡市密着の地元業者」、どちらに頼むべきか悩まれるかもしれません。
- 大手不動産会社のメリット・デメリット メリットは、全国的な知名度・ブランド力による安心感と、広範な広告ネットワーク(集客力)です。静岡市外からの購入希望者を探す力に長けています。 デメリットは、営業担当者の転勤が多く、必ずしも静岡市(葵区・駿河区・清水区)の非常に局所的な地域情報(例:〇〇学区の細かな人気度合い)に精通しているとは限らない点です。
- 静岡市の地元不動産会社のメリット・デメリット メリットは、長年静岡市で培ってきた「地域情報の深さ」と「独自の顧客網」です。「静岡市駿河区のこのエリアで売りが出たら教えてほしい」といった、地元の潜在的な購入希望者を抱えていることがあります。また、静岡市特有の事情(例:ハザードマップの影響度合い)を熟知した査定が期待できます。 デメリットは、会社によって得意分野(土地に強い、マンションに強いなど)や営業力に差がある点です。広告宣伝力(特に全国への発信力)は大手に劣る場合があります。
おすすめは、どちらか一方に絞るのではなく、大手と静岡市の地元業者の両方から、合計3社程度に訪問査定を依頼し、その「査定価格の根拠」と「担当者との相性」を比較検討することです。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP3】媒介契約:売却を依頼する不動産会社を決める

複数の不動産会社(例:3社)から訪問査定の結果(査定書)が出揃ったら、いよいよ静岡市での不動産売却のパートナーとなる「一社」を選び、売却活動を正式に依頼する「媒介契約」を結びます。
査定価格の「高さ」だけで不動産会社を選ばない
ここで非常に重要な注意点があります。それは、「一番高い査定価格を提示した不動産会社に安易に決めない」ということです。
不動産会社の中には、売主様(あなた)と媒介契約を結びたいがために、意図的に静岡市の相場よりも高い(実際には売れそうもない)査定価格を提示して気を引こうとする会社も残念ながら存在します。
重要なのは「価格」そのものではなく、その「価格の根拠」です。
- なぜ、この価格(例:3,500万円)になるのか?
- 静岡市のどの成約事例(データ)を参考にしたのか?
- 物件のどの点をプラス評価し、どの点をマイナス評価したのか?
これらの根拠を、あなたが納得できるように明確に説明してくれる不動産会社を選びましょう。
媒介契約の3つの種類とメリット・デメリット
媒介契約には、以下の3種類があり、売主様(あなた)が選ぶことができます。
- 一般媒介契約
- 概要: 複数の不動産会社(例:A社、B社、C社)と同時に契約できます。ご自身で買主を見つけること(自己発見取引)も可能です。
- メリット: 複数の会社が競争するため、情報が広く拡散される可能性があります。
- デメリット: 不動産会社側から見ると「他社で決まってしまう(タダ働きになる)」リスクがあるため、販売活動(広告費など)に力が入らない可能性があります。また、売主様ご自身が複数の不動産会社と連絡を取り合う手間が発生します。
- 専任媒介契約
- 概要: 売却を依頼できる不動産会社は「一社のみ」です。ご自身で買主を見つけること(自己発見取引)は可能です。
- メリット: 不動産会社は、自社で確実に売却を決めようとするため、販売活動(広告宣伝など)に力を入れてくれる傾向があります。また、不動産会社には2週間に1回以上、売主様に販売活動の状況を報告する義務(業務報告義務)があるため、売却の流れが把握しやすいです。
- デメリット: 契約した一社の販売力にすべてを委ねることになります。もし、その会社の販売活動が消極的だったり、静岡市での集客力が弱かったりした場合、売れ残ってしまうリスクがあります。
- 専属専任媒介契約
- 概要: 売却を依頼できる不動産会社は「一社のみ」です。ご自身で買主を見つけること(自己発見取引)もできません(見つけた場合でも、必ずその不動産会社を通す必要があります)。
- メリット: 専任媒介よりもさらに不動産会社の責任が重くなり、1週間に1回以上の業務報告義務があります。不動産会社側も「絶対に自社で決める」という意識が最も高くなるため、最も熱心な活動が期待できます。
- デメリット: 不動産会社の販売力への依存度が最も高くなります。売主様の自由度が最も低い契約形態です。
静岡市での不動産売却の流れ(期間)を早めたい、かつ信頼できる一社が見つかった場合は、「専任媒介契約」を選ぶのが一般的におすすめです。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP4】売却活動:購入希望者を探す
媒介契約を結んだ不動産会社は、いよいよ静岡市および全国に向けて、あなたの不動産の売却活動(販売活動)を開始します。この流れは、通常、媒介契約から1週間程度でスタートします。
具体的な不動産売却の販売活動とは?
不動産会社が行う主な販売活動(広告宣伝)は、以下のようなものです。
- ① レインズ(REINS)への登録: 不動産会社だけが見ることができる、全国共通の物件情報システム(不動産流通標準情報システム)です。ここに登録することで、静岡市内の他の不動産会社も「今、こういう物件が売りに出ている」と知り、自社の顧客(購入希望者)に紹介できるようになります。(※一般媒介契約では登録は任意ですが、専任・専属専任では義務です)
- ② 不動産ポータルサイトへの掲載: SUUMO(スーモ)、LIFULL HOME’S(ホームズ)、athome(アットホーム)など、一般の購入希望者が最もよく見るインターネットサイトに、物件の写真や間取り図、アピールポイントなどを掲載します。
- ③ 自社ホームページやチラシでの広告: 不動産会社の自社ホームページへの掲載や、静岡市内(特に物件周辺エリア)への新聞折込チラシ、ポスティング(郵便受けへの投函)などで、購入希望者を探します。
- ④ 既存顧客への紹介: その不動産会社がすでに抱えている購入希望者リスト(例:「静岡市葵区で3LDKのマンションを探している」というお客様)へ、個別に物件を紹介します。
【「近所に知られずに売却したい」流れ】 「ご近所の方にわからないように静岡市で不動産売却を進めたい」というご希望も多くあります。 この場合、上記②(ポータルサイト)や③(チラシ)といった広告活動を一切行わず、①(レインズ)と④(既存顧客への紹介)、そして不動産会社のネットワーク(買取業者など)だけで売却活動を進める流れも可能です。ただし、購入希望者が見つかるまでの期間(流れ)は長くなる傾向があります。
内覧(現地見学)の対応と「早期売却のテクニック」
売却活動が始まると、不動産会社を経由して「物件を見てみたい」という購入希望者から「内覧」の申し込みが入ります。
【「家に住みながら売却する」流れ】 ご自宅に住みながら売却活動を進めることは全く問題ありません。静岡市での不動産売却も、大半の方が住みながら売却されています。 不動産会社が、売主様(あなた)と購入希望者様の都合を聞き、内覧の日時を調整します。当日は、不動産会社の担当者が立ち会いますので、売主様は購入希望者様からの質問(例:「このマンションの住み心地はどうですか?」「静岡市のこの学区の雰囲気は?」)に、ありのまま答えていただくだけで大丈夫です。
【早期売却のテクニック:内覧の準備】 内覧は、購入希望者様が「この家を買うかどうか」を決める、最も重要な瞬間です。この時の印象を良くすることが、静岡市での不動産売却を早期に進める(流れを早める)最大のテクニックです。
- 清掃と整理整頓: モデルルームのように完璧にする必要はありませんが、水回り(キッチン、浴室、トイレ)と玄関は特に清潔にしておきましょう。
- 明るさと換気: 内覧当日は、すべての部屋の照明をつけ、窓を開けて空気を入れ替え、家全体を明るく広く見せるようにしましょう。
- ニオイ対策: ペットやタバコ、料理のニオイは、ご自身では気づきにくいものです。消臭剤や芳香剤でケアしておきましょう。
以前、静岡市清水区で同じ時期に売りに出た、ほぼ同条件のマンション2部屋の売却をお手伝いしたことがあります。A様のお部屋は常に綺麗に片付いており、B様のお部屋は少し雑然としていました。結果、A様のお部屋は内覧2組目で売買契約が決まりましたが、B様のお部屋は10組以上の内覧を経ても決まらず、最終的に価格交渉(値下げ)が入りました。内覧の印象が、売却の流れ(期間)と価格に直結することを痛感した事例です。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP5】売買契約:購入希望者と合意する

内覧の結果、購入希望者様から「この不動産を購入したい」という意思表示(購入申込書(買付証明書)の提示)があれば、不動産売却の流れは次のステップ「売買契約」に進みます。
購入希望者との条件交渉
購入申込書には、通常、「購入希望価格」や「引き渡し希望日」、「住宅ローン利用の有無」などの条件が記載されています。 もし、売出価格(例:3,000万円)に対して、希望価格が「2,900万円」などと、値下げを要求する「価格交渉」が入るケースも多々あります。
ここで、不動産会社の担当者が間に入り、「2,900万円では難しいが、2,950万円ではどうか」「その代わり、引き渡し時期は買主様の希望に合わせる」といった条件のすり合わせ(交渉)を行います。 静岡市での不動産売却の経験が豊富な不動産会社であれば、売主様(あなた)の利益を最大限守りつつ、買主様にも納得していただける落としどころを探る交渉力を持っています。
重要事項説明と売買契約書の締結
売主様・買主様双方の条件がまとまったら、不動産会社の事務所などで、正式な「売買契約」を締結します。 売買契約の流れは、通常、以下の順序で行われます。
- 重要事項説明: 不動産会社(宅地建物取引士)が、買主様に対して、売却する不動産に関する法的な制限(例:静岡市の都市計画法、建築基準法など)や、物件の状態(例:過去の修繕履歴、雨漏りの有無など)を詳細に説明します。売主様(あなた)は、この説明内容に間違いがないかを確認し、同席します。
- 売買契約書の読み合わせ・署名捺印: 売買契約書(売買価格、手付金の額、引き渡し日、契約解除の条件などが記載)の内容を、売主様・買主様双方で確認し、署名・捺印(実印)します。
- 手付金の受領: 買主様から売主様(あなた)へ、「手付金」(売買価格の5%~10%程度が相場)が支払われます。この手付金を受領した時点で、契約は正式に成立となります。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP6】決済と引き渡し:売却の最終ゴール
売買契約を結んだら、不動産売却の流れはゴール(最終ステップ)である「決済・引き渡し」に向けて進みます。売買契約から決済までは、買主様の住宅ローン審査などがあるため、通常1ヶ月~2ヶ月程度の期間が空きます。
決済日(引き渡し日)までの準備
売主様(あなた)が、決済日までに準備しておくべき主なことは以下の通りです。
- ① 引越し(荷物の撤去): 決済日(引き渡し日)までに、家の中を空っぽの状態(売買契約で「残置物」として合意したエアコンなどを除く)にして、引越しを完了させる必要があります。
- ② 住宅ローンの完済・抵当権抹消手続きの準備: 売却する不動産に住宅ローンが残っている場合、決済日に受け取る売買代金で、ローンを全額完済する必要があります。金融機関(銀行)と連絡を取り、完済手続きと「抵当権」を抹消するための書類を準備してもらいます。(司法書士がサポートします)
- ③ 各種書類の準備: 登記済権利証(または登記識別情報)、実印、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書、物件の鍵(スペアキー含む)、各種設備の取扱説明書などを準備します。
- ④ ライフラインの精算・停止: 電気、ガス、水道、インターネットなどの停止手続きと、最終日までの料金精算を済ませます。
決済(引き渡し)当日の流れ
決済は、平日の午前中に、買主様が住宅ローンを組む金融機関(銀行)の応接室などで行われるのが一般的です。不動産会社と司法書士が立ち会い、以下の流れで進められます。
- 登記書類の確認: 司法書士が、売主様(あなた)から預かった抵当権抹消書類や、所有権移転に必要な書類(印鑑証明書など)に不備がないか最終確認します。
- 残代金の受領: 買主様から、売買価格から手付金を差し引いた「残代金」が、売主様(あなた)の銀行口座に振り込まれます。(着金を確認します)
- 諸費用(固定資産税など)の精算: 固定資産税・都市計画税の年額を日割り計算し、買主様から売主様(あなた)へ精算金が支払われます。また、売主様(あなた)は、不動産会社へ仲介手数料の残額、司法書士へ登記費用を支払います。
- 鍵と関係書類の引き渡し: 売主様(あなた)から買主様へ、物件の鍵(全本数)と、取扱説明書などを渡します。
- 登記申請: すべての手続きが完了したら、司法書士がその日のうちに法務局へ「所有権移転登記」と「抵当権抹消登記」を申請します。
これで、静岡市での不動産売却のすべての「流れ」が完了となります。お疲れ様でした。
【静岡市 不動産売却 流れ STEP7】売却後の手続き:確定申告を忘れずに
不動産の引き渡しが完了しても、静岡市での不動産売却の「流れ」には、まだ最後の手続きが残っています。それが「確定申告」です。
不動産売却で利益(譲渡所得)が出た場合の確定申告
不動産売却(一戸建て・マンション・土地)によって「利益(譲渡所得)」が出た場合、売却(引き渡し)をした翌年の2月16日~3月15日の間に、税務署(静岡市葵区・駿河区にお住まいなら静岡税務署、清水区なら清水税務署)で確定申告を行い、税金(譲渡所得税)を納める義務があります。
譲渡所得(利益) = 売却価格 - ( 取得費 + 譲渡費用 )
ここでいう「取得費」とは、その不動産を購入した時の代金や手数料、「譲渡費用」とは、今回の売却でかかった仲介手数料などのことです。 この計算結果がプラスになった場合に、確定申告が必要となります。
不動産売却で使える税金の特例(節税)
もし、静岡市で売却した不動産が「マイホーム(ご自身が住んでいた家)」であれば、利益(譲渡所得)が出たとしても、税金が大幅に安くなる(または0円になる)強力な特例(控除)を使える可能性があります。
- 居住用財産の3,000万円特別控除: 利益(譲渡所得)から最大3,000万円まで差し引くことができる、最も代表的な特例です。
- 10年超所有の軽減税率の特例: 所有期間が10年を超えていると、3,000万円控除を使ってもなお残った利益にかかる税率が、通常より低くなります。
【最も重要な注意点】 これらの特例(控除)を使った結果、計算上の税金が0円になったとしても、確定申告そのものは必ず行わなければなりません。 確定申告をしないと、特例(控除)の適用が認められず、後から税務署に多額の税金(本税+ペナルティ)を請求されることになります。不動産売却の流れにおいて、最後の「確定申告」まで気を抜かないことが重要です。
【静岡市特有】土地・空き家・アパート売却の「流れ」で注意すべき点
ここまで、主に「マイホーム(居住用の一戸建て・マンション)」の売却の流れを解説してきましたが、静岡市での不動産売却には「土地」や「空き家」「アパート」の売却も多くあります。これら特有の「流れ」における注意点を解説します。
静岡市で「土地」を売却する流れと注意点
静岡市で土地を売却する場合、建物の売却とは異なる注意点があります。
- ① 境界の確定(測量): 土地売却の流れで最も重要なのが、「隣地との境界が確定しているか」です。境界杭(きょうかいぐい)が見当たらない、または親の代からの土地で境界が曖昧な場合は、売買契約の前に「土地家屋調査士」に依頼して、隣地の所有者立ち会いのもと境界を確定させ、「確定測量図」を作成する必要があります。この測量の流れに数ヶ月かかることもあるため、早めに不動産会社に相談しましょう。
- ② 売却方法(仲介 vs 買取): 土地は、一般の個人(家を建てたい人)だけでなく、静岡市内の工務店やハウスメーカー、建売業者なども購入希望者となります。早く現金化したい場合は、不動産会社を通じてこれらの業者に「買取」してもらう流れも有効な選択肢です。
静岡市で「空き家」を売却する流れと注意点
静岡市でも社会問題化している「空き家」の売却の流れには、特有の難しさと、逆に大きなメリット(特例)があります。
- ① 空き家管理の重要性: 空き家を放置すると、建物の劣化(雨漏り、シロアリなど)が急速に進み、資産価値が下がってしまいます。また、静岡市から「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇が外されて税金が最大6倍になったり、最悪の場合は行政代執行で解体されたりするリスクもあります。売却の流れが完了するまでは、定期的な換気や清掃、草むしりなどの「空き家管理」を続ける(または管理会社に委託する)ことが重要です。
- ② 「空き家の3,000万円控除」という特例: 相続した実家(空き家)の売却で、「空き家の3,000万円控除」という税金特例を使える可能性があります。これは、「耐震基準を満たすようにリフォームして売却する」または「建物を取り壊して更地(土地)にして売却する」ことなどを条件に、利益(譲渡所得)から3,000万円を控除できる制度です。この特例を使うかどうかで、売却の流れ(解体するか否か)が大きく変わるため、相続した空き家の売却は、この特例に詳しい不動産会社に相談することが必須です。
静岡市で「アパート(投資用不動産)」を売却する流れと注意点
静岡市でご自身がオーナーとなっているアパート(一棟アパート)や投資用マンションを売却する場合、マイホーム売却の流れとは全く異なる専門知識が必要になります。
- ① 入居者(賃借人)への対応: アパートは、入居者がいる状態(「オーナーチェンジ」物件と呼びます)のまま売却するのが一般的です。売却活動(敷地内の写真撮影、買主の内覧など)において、入居者のプライバシーに最大限配慮する流れが求められます。
- ② 専門的な不動産査定(収益還元法): アパートの売却価格は、マイホームのような「周辺相場」だけでなく、「利回り(年間の家賃収入 ÷ 売却価格)」がいくらになるかという「収益還元法」という専門的な計算方法で査定されます。静岡市の賃貸市場(家賃相場、空室率)に精通した、投資用不動産の売却経験が豊富な不動産会社に依頼する必要があります。
まとめ
静岡市で不動産売却を成功させるための「流れ」を、7つのステップで徹底的に解説してきました。
- 【STEP1】準備と計画: 売却目的を明確にし、静岡市の相場とローン残高を確認します。
- 【STEP2】不動産査定: 複数の不動産会社(大手・地元)に「訪問査定」を依頼し、比較します。
- 【STEP3】媒介契約: 査定価格の「根拠」と「担当者」で信頼できる一社を選び、契約(専任媒介など)を結びます。
- 【STEP4】売却活動: レインズやポータルサイトで広告を開始し、「内覧」の準備(清掃・整理整頓)を万全にします。
- 【STEP5】売買契約: 購入希望者と条件交渉を行い、重要事項説明を経て、契約書に署名捺印し、手付金を受領します。
- 【STEP6】決済と引き渡し: 引越しを済ませ、決済日(通常1~2ヶ月後)に残金受領と鍵の引き渡しを行います。
- 【STEP7】確定申告: 売却の翌年に、利益(譲渡所得)が出た場合、または特例(3,000万円控除など)を使う場合は、必ず確定申告を行います。
静岡市での不動産売却の流れは、平均して3ヶ月から6ヶ月程度の期間がかかるのが一般的です。 「土地」「空き家」「アパート」の売却は、この基本的な流れに加えて、それぞれ特有の注意点(測量、空き家特例、利回り計算など)が必要となります。
不動産売却の流れは複雑に見えますが、各ステップで何をすべきかを理解していれば、不安は大きく軽減されます。そして、この長い流れを二人三脚で伴走してくれる、信頼できる不動産会社のパートナーを見つけることが、静岡市での不動産売却を成功させる最大の鍵です。
株式会社森田不動産は、静岡市の一戸建て、土地、マンション売却・査定をサポートしています。静岡市の不動産売却・査定は株式会社森田不動産にお任せください。
