静岡市で実家を相続した方へ。空き家を放置するリスクと賢い活用・売却方法

静岡県静岡市で不動産売却・査定を専門にサポートしております、株式会社森田不動産の鈴木と申します。

このコラムをご覧いただき、ありがとうございます。 おそらく、静岡市(葵区、駿河区、清水区)にある大切なご実家を相続されたものの、ご自身はすでに別の場所に住居を構えており、「誰も住まない実家(空き家)を今後どうすればいいのだろう?」と、その管理や処遇に頭を悩ませていらっしゃるのではないでしょうか。

「今はまだ荷物もそのままだし、とりあえず置いておこう」「いずれ誰かが住むかもしれないし…」と、結論を先延ばしにしてしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。しかし、静岡市でも年々深刻化する「空き家問題」において、「放置」は最もリスクの高い選択肢と言わざるを得ません。

この記事では、静岡市で実家を相続された皆様が、将来にわたって後悔しないために知っておくべき「空き家放置のリスク」と、ご自身の状況に合わせた「賢い活用・売却方法」について、不動産のプロの視点から徹底的に解説します。

この記事を最後までお読みいただければ、空き家を持ち続けることの本当のコスト(金銭的・精神的)、放置が招く法的なペナルティ、そして「売る」「貸す」「住む」それぞれの選択肢のメリット・デメリットが明確になります。

静岡市で実家を相続されたご家族、空き家の管理にお困りの方は、ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、大切な資産の最適な「出口戦略」を見つけるためにお役立てください。


実家を相続して「とりあえず放置」が一番危険!静岡市の空き家リスク

「今は忙しいから」「まだ心の整理がつかないから」と、相続した実家をそのままにしていませんか? 実は、静岡市においても「空き家の放置」に対する目は年々厳しくなっており、所有者様には思わぬリスクと責任が降りかかってきます。

リスク1:金銭的負担(固定資産税の増税と維持費)

空き家を持っているだけで、毎年確実にかかるのが「固定資産税」と「都市計画税」です。 さらに、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の危険があるなどの「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、税金が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。 また、人が住んでいない家は劣化のスピードが早いため、屋根や外壁の修繕費、庭木の剪定費用など、年間数十万円単位の維持費がかかり続けることも珍しくありません。

リスク2:近隣トラブルと損害賠償責任

手入れされていない空き家は、地域にとって迷惑施設となりかねません。

  • 庭木が伸びて隣の敷地に侵入する、道路にはみ出して通行の妨げになる。
  • 害虫や害獣(シロアリ、ハチ、ネズミなど)が発生し、近隣に被害を与える。
  • 台風や地震で瓦や外壁が落下し、通行人に怪我をさせてしまう。

万が一、他人に損害を与えてしまった場合、所有者であるあなたに多額の損害賠償責任が発生します。「知らなかった」では済まされない重大なリスクです。

リスク3:防犯・防災上のリスク

人の気配がない空き家は、不法投棄や不法侵入、放火などの犯罪リスクを高めます。 また、老朽化した木造住宅は火災が起きやすく、一度火が出れば近隣を巻き込む大惨事になりかねません。静岡市は地震などの災害リスクも意識される地域ですので、倒壊の危険性も無視できません。

相続した実家(空き家)の「賢い選択肢」3選:あなたに合うのは?

では、相続した実家をどうするのが正解なのでしょうか? 大きく分けて「売る」「貸す」「維持する(住む)」の3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合うものを選びましょう。

選択肢1:【売却】手放して現金化する(最も推奨される方法)

ご自身やご家族が住む予定がない場合、最もリスクが少なく、資産を有効活用できるのが「売却」です。

  • メリット:
    • 固定資産税や維持管理の手間から完全に解放される。
    • まとまった現金が手に入り、老後資金や教育資金などに活用できる。
    • 「空き家の3,000万円特別控除」などの節税特例が使える場合がある(※後述)。
  • デメリット:
    • 実家という「思い出の場所」がなくなる。
    • 片付け(遺品整理)の手間がかかる(※業者に依頼すれば解決可能)。

【賢い売却のコツ】 相続した実家を売却する場合、「仲介」で高く売るか、「買取」で早く確実に手放すかを選べます。特に遠方にお住まいで管理が難しい場合は、手間のかからない「買取」が選ばれるケースも多いです。

選択肢2:【賃貸】リフォームして貸し出す

立地条件が良い場合(静岡駅周辺や人気の学区など)、賃貸物件として家賃収入を得る方法もあります。

  • メリット:
    • 家賃という継続的な収入源が得られる。
    • 資産(不動産)として保有し続けることができる。
  • デメリット:
    • リフォーム費用(初期投資)がかかる。
    • 入居者トラブルや修繕対応、空室リスクなどの大家業としての負担が発生する。
    • 将来売却したくなった時、入居者がいると売りにくい場合がある。

選択肢3:【維持】定期的に管理して将来に備える

「今は売れないが、将来子供が住むかもしれない」という場合は、適切に管理しながら維持する方法もあります。

  • メリット:
    • 将来の選択肢を残しておける。
    • 週末だけ利用するセカンドハウスとして活用できる。
  • デメリット:
    • 固定資産税と維持費がかかり続ける(「負動産」化するリスク)。
    • 定期的な通風・換気・掃除のために、静岡市まで通う手間がかかる。

もし維持を選ぶ場合は、ご自身で管理するだけでなく、不動産会社や警備会社が提供する「空き家管理サービス(月額数千円〜)」を利用するのも一つの賢い方法です。

相続した実家の売却で絶対に知っておくべき「税金の特例」

もし「売却」を選択する場合、相続した空き家ならではの強力な節税制度があります。これを知っているかどうかで、手元に残るお金が数百万円変わることもあります。

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」

通称「空き家の3,000万円特別控除」と呼ばれる制度です。 亡くなった親御様が一人暮らしをしていた実家を相続し、一定の要件を満たして売却した場合、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除(差し引く)ことができる特例です。

主な適用要件:

  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)であること。
  • 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  • 売却代金が1億円以下であること。
  • 売却時に「耐震リフォーム」をするか、または「建物を取り壊して更地にして売却する」こと。

特に静岡市内の古いご実家の場合、「更地にして売却」することでこの特例が使えるケースが多くあります。解体費用がかかっても、税金が大幅に安くなるため、トータルでは得をする可能性が高いです。

静岡市で「空き家」を売却するまでの具体的な流れ

相続した実家を売却することを決めた場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。

  1. 相続登記(名義変更): まず、不動産の名義を亡くなった親御様から相続人(あなた)に変更する必要があります。これは2024年から義務化されています。
  2. 遺品整理(片付け): 家の中に残っている家具や荷物を片付けます。自分たちで行うのが大変な場合は、専門の遺品整理業者に依頼しましょう。
  3. 不動産査定: 静岡市の不動産会社に査定を依頼し、「いくらで売れるか」を把握します。この時、空き家対策に強い会社を選ぶのがポイントです。
  4. 媒介契約・売却活動: 不動産会社と契約し、買主を探してもらいます(仲介)。または、不動産会社に直接買い取ってもらいます(買取)。
  5. 売買契約・引き渡し: 買主が決まったら契約を結び、代金を受け取って物件を引き渡します。
  6. 確定申告: 売却した翌年に確定申告を行い、特例の適用などを申請します。

まとめ

静岡市で相続した実家(空き家)の問題について、放置するリスクと解決策を解説してきました。

  • 放置はリスク大: 固定資産税の増税、近隣トラブル、損害賠償など、百害あって一利なしです。
  • 早期決断が鍵: 「売る」「貸す」「管理する」の方針を早めに決めましょう。迷ったら「査定」を受けて資産価値を知ることから始めましょう。
  • 特例を活用: 「空き家の3,000万円控除」など、使える制度をフル活用して賢く売却しましょう。
  • 専門家に相談: 相続登記、遺品整理、解体、売却…これらを一人で抱え込む必要はありません。

実家は、ご家族の思い出が詰まった大切な場所です。だからこそ、放置してボロボロにしてしまうのではなく、次の誰かに住み継いでもらう、あるいは更地にして新しい暮らしの土台にしてもらうことが、家にとっても一番の供養になるのではないでしょうか。

株式会社森田不動産は、静岡市の一戸建て、土地、マンション売却・査定をサポートしています。静岡市の不動産売却・査定は株式会社森田不動産にお任せください。

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