静岡県静岡市で不動産売却を専門にサポートしております、株式会社森田不動産の森田と申します。
このコラムをご覧いただき、ありがとうございます。 おそらく、静岡市(葵区、駿河区、清水区)で大切な不動産を売却されたばかりか、あるいはこれから売却を検討されており、「不動産売却後の確定申告」について調べていらっしゃる最中ではないでしょうか。
特に、「手続きが面倒だから、確定申告しないとどうなる?」「利益が出ていないと思うから、申告しなくても大丈夫?」「もし確定申告を忘れたら、ペナルティ(罰金)はある?」といった、率直な疑問やご不安をお持ちかもしれません。
不動産売却という大きなイベントの後で、さらに複雑な税金の手続きが待っていると思うと、少し気が重くなるお気持ちは、私も日頃お客様と接していて痛いほど理解できます。
そこでこの記事では、「不動産売却の確定申告をしないと」どうなってしまうのか、その具体的なリスクとペナルティ、そして「なぜ申告しなくても税務署にバレるのか」という仕組み、さらには確定申告が不要なケースまで、静岡市の皆様の疑問を解消するために徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、静岡市での不動産売却で確定申告をしないことの重大なリスクが明確になり、ご自身が申告すべきかどうかの判断基準、万が一忘れていた場合の対処法まで、具体的にわかります。
静岡市で不動産を売却されたご家族、確定申告の手続きに不安を感じている方は、ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、将来の大きなトラブルを未然に防ぐためにお役立てください。
そもそも静岡市での不動産売却で確定申告を「しないと」いけないケースとは?

「不動産を売却したら、全員が確定申告をしないといけないの?」と疑問に思われるかもしれませんが、答えは「いいえ」です。しかし、多くの場合で確定申告が必要、もしくは「しないと損」になります。静岡市で不動産を売却した場合、どのようなケースで確定申告をしないといけない(すべき)なのか、3つのパターンに分けて解説します。
利益(譲渡所得)が出た場合は確定申告をしないと「違法」
不動産売却における確定申告で、最も基本的なのがこのケースです。 不動産を売却して「利益」が出た場合、その利益に対して税金(譲渡所得税・住民税)がかかります。この税金を納めるために、確定申告をしないといけません。これは国民の義務であり、意図的に申告しないと「脱税」となってしまいます。
ここでいう「利益」とは、「譲渡所得」と呼ばれ、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得(利益) = 売却価格 - ( 取得費 + 譲渡費用 )
- 売却価格: 静岡市内の不動産が売れた金額です。
- 取得費: その不動産を購入した時の代金や、購入時の仲介手数料、登記費用、リフォーム費用などです。
- 譲渡費用: 今回の売却でかかった仲介手数料や印紙税などです。
この計算結果がプラス(利益が出た)になった場合、確定申告をしないといけない義務が発生します。
【重要】税金が0円でも「3,000万円控除」の特例を使うなら確定申告をしないと損
ここが非常に多くの方が勘違いし、後で後悔されるポイントです。 静岡市で売却した不動産が「マイホーム(ご自身が住んでいた家)」である場合、「居住用財産の3,000万円特別控除」という強力な節税特例を使える可能性があります。
これは、不動産売却で出た利益(譲渡所得)から最大3,000万円まで差し引くことができる制度です。 例えば、計算上の利益が2,000万円だったとしても、この特例を使えば利益は0円となり、納める税金も0円になります。
「税金が0円になるなら、確定申告しなくてもいいのでは?」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。 この3,000万円控除という特例は、納税者が自ら「確定申告をすること」によって初めて適用が認められる制度なのです。 確定申告をしないと、税務署は「この人は特例を使う意思がない」と判断します。その結果、本来0円になるはずだった税金(この例だと2,000万円に対する税金)を、後からペナルティ(罰金)付きで請求されることになってしまいます。
損失(赤字)が出ても「損益通算」をするなら確定申告をしないと損
逆に、不動産売却で「損失(赤字)」が出た場合はどうでしょうか。 利益が出ていないため、税金は発生しません。この場合、確定申告の義務もありません。
しかし、ここでも「しないと損」になるケースがあります。 それが「損益通算」や「繰越控除」という特例を使う場合です。
例えば、静岡市のマイホームを売却して損失が出た場合、その損失を、ご自身の給与所得や事業所得など、他の黒字の所得と相殺(損益通算)できる場合があります。 相殺することで、その年の全体の所得が減るため、すでに源泉徴収などで納めている所得税が戻ってくる(還付される)のです。
この「税金を取り戻す」ための手続きも、やはり「確定申告」をしないと受けることができません。損失が出たからと何もしないと、本来戻ってくるはずだったお金を受け取るチャンスを逃してしまうことになるのです。
静岡市で不動産売却の確定申告を「しないと」どうなる?ペナルティ(罰金)
もし、確定申告をしないといけないケース(利益が出ている場合)に該当するにもかかわらず、確定申告を期限までにしなかったらどうなるのでしょうか。 「静岡市でこっそり売っただけだからバレないだろう」と安易に考えていると、数年後に税務署から通知が届き、本来納めるべきだった税金に加えて、ペナルティ(罰金)を課されることになります。
ペナルティ①「無申告加算税」:確定申告をしないことへの罰金
「無申告加算税」は、定められた期限(売却翌年の3月15日)までに確定申告をしなかったこと自体に対するペナルティです。
メリット(軽減措置): もし、確定申告の期限を過ぎてしまった場合でも、税務署から指摘(税務調査の通知など)を受ける前に、自主的に「期限後申告」をした場合は、この無申告加算税の税率が5%に軽減されます。「忘れていた!」と気づいた時点で、1日でも早く申告することが金銭的なダメージを最小限に抑えるコツです。
デメリット(ペナルティ): 税務署からの税務調査や指摘を受けてから申告した場合、納付すべき税額に対して、以下の割合で無申告加算税が課されます。
- 納付すべき税額のうち50万円までの部分:15%
- 納付すべき税額のうち50万円を超える部分:20% (※令和6年1月1日以降は、300万円を超える部分は30%と、さらに厳格化されています)
例えば、本来納めるべき税金(本税)が100万円だった場合、自主的に申告すればペナルティは5万円ですが、税務署に指摘されてからだと17.5万円(50万円×15% + 50万円×20%)もの罰金が上乗せされるのです。
ペナルティ②「延滞税」:納税が遅れたことへの利息
「延滞税」は、納税が遅れたことに対する「利息」のようなペナルティです。 これは、無申告加算税とは別にかかります。
メリット: ありません。延滞税は、法定納期限(売却翌年の3月15日)の翌日から、実際に税金を納付する日までの日数に応じて、日割りで自動的に計算されます。
デメリット(ペナルティ): 延滞税の税率は、銀行の預金金利とは比べ物にならないほど高く設定されています。(税率は年によって変動しますが、納期限から2ヶ月を過ぎると、さらに高い税率が適用されます)。 確定申告をしないまま放置すればするほど、延滞税は雪だるま式に増え続けていきます。 例えば、本税100万円の納付が3年遅れた場合、延滞税だけで十数万円以上になることも珍しくありません。
ペナルティ③「重加算税」:意図的に申告しない場合の最も重い罰金
これが最も重いペナルティです。「重加算税」は、単純なミスや「知らなかった」というレベルではなく、意図的に税金を逃れようとした(仮装・隠蔽があった)と税務署に判断された場合に課されます。
メリット: 一切ありません。
デメリット(ペナルティ): 無申告加算税(15%~20%)に代わって、納付すべき本税に対して40%という非常に高い税率が課されます。 例えば、本税100万円を意図的に隠蔽したと判断されると、重加算税だけで40万円、それに加えて延滞税もかかります。 「売却の利益を隠すために、わざと取得費(買った値段)の契約書を破棄した」「架空の経費を計上した」といった行為は、重加算税の対象となる典型的な例です。
「静岡市で黙っていればバレない?」不動産売却の確定申告をしないと税務署にバレる理由
「確定申告をしないとペナルティがあるのは分かった。でも、そもそも税務署は私が静岡市で不動産を売却したことをどうやって知るの?」 「黙っていればバレないのでは?」 この疑問は、多くの方が抱くものです。しかし、結論から申し上げますと、不動産売却の事実は、あなたが申告しなくても100%税務署にバレます。
理由①:法務局からの「登記情報」でバレる
不動産売却の確定申告をしないとバレる最大の理由がこれです。 不動産を売却すると、買主は自分の所有物であることを公に示すために、必ず「所有権移転登記」を法務局(静岡地方法務局)で行います。
この登記情報は、税務署もすべて閲覧・把握できるようになっています。 法務局の登記情報を見れば、「いつ、どこの不動産(土地・建物)が、誰から誰へ売買されたか」が一目瞭然です。 静岡税務署や清水税務署は、この登記情報を常にチェックしており、静岡市内で不動産売買があった事実を完全に把握しています。
理由②:買主からの「不動産取得税の申告」でバレる
不動産売却の確定申告をしないとバレる、もう一つの強力な理由です。 不動産を購入した買主は、静岡県(静岡県税事務所)に対して「不動産取得税」という税金を納めるために、「不動産を取得しました」という申告を行います。
この情報も、当然ながら税務署と連携されています。 売主であるあなたが確定申告をしないと、「買主は『買った』と申告しているのに、売主は『売った』と申告してこないのはおかしい」ということになり、税務署がすぐに異常を察知するのです。
税務署からの「お尋ね」が届いたら?
税務署は、これらの情報から静岡市内で不動産売却があったことを把握すると、確定申告の時期(売却翌年の2月~3月)を過ぎた頃に、申告をしていない人(売主)に対して、「不動産等の譲渡(売却)に関するお尋ね」という書類を送付してくることがあります。
これは、「あなたは昨年、不動産を売却した記録がありますが、確定申告がされていないようです。売却の内容について回答してください」という内容の、実質的な「警告書」です。 この「お尋ね」が届いた時点で、税務署は売買の事実を掴んでいる証拠です。 もしこの「お尋ね」を無視したり、嘘の回答をしたりすると、本格的な「税務調査」に発展し、前述のペナルティ(無申告加算税や重加算税)が課される可能性が非常に高くなります。「お尋ね」が届いたら、絶対に放置してはいけません。
静岡市で不動産売却の確定申告をしないといけないのに、忘れていた時の対処法

「確定申告をしないといけないのに、忘れていた!」 「期限の3月15日を過ぎてしまった…」 「ペナルティが怖い…」 もし、確定申告をしないまま期限を過ぎてしまったことに気づいた場合、どうすればよいのでしょうか。パニックになる必要はありません。対処法は「1日でも早く、自主的に申告すること」です。
期限内(3月15日まで)なら「しないと」ではなく、今すぐ申告
これは当然ですが、もし売却翌年の3月15日をまだ迎えていないのであれば、何も問題ありません。「しないと」と悩むのではなく、今すぐ準備を始めて、期限内に確定申告(e-Tax、郵送、または静岡税務署・清水税務署の窓口へ持参)を済ませましょう。
期限後でも税務署から連絡が来る前に「期限後申告」をしないと損
もし3月15日の期限を過ぎてしまった場合でも、まだ税務署から「お尋ね」や「税務調査の通知」が来ていないのであれば、すぐに「期限後申告」をしましょう。
メリット: 前述の通り、税務署から指摘される前に自主的に「期限後申告」をすれば、「無申告加算税」の税率が15%や20%ではなく、5%に大幅に軽減されます。 また、期限から1ヶ月以内に自主的に申告するなどの一定の要件を満たせば、この5%の無申告加算税すら免除される可能性もあります。 「延滞税」は1日分でも多くかかってしまいますが、それでも自主的に申告するメリットは非常に大きいのです。
デメリット: デメリットはありません。確定申告をしないまま放置することこそが最大のデメリットです。「怒られるのが怖い」とためらわず、すぐに申告することが、結果的に支払うペナルティを最小限に抑える最善の策です。
税務署から通知が来た場合は「確定申告しないと」ではなく、すぐ税理士に相談
もし、ご自身で期限後申告をする前に、税務署から「お尋ね」や「税務調査の通知」が届いてしまった場合は、ご自身で対応しようとせず、すぐに税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
メリット: 税務調査の対応には専門的な知識が必要です。税理士に依頼することで、税務署の担当者とのやり取りを代行してもらえたり、納税者にとって不利にならないよう、法律に基づいた適切な主張をしてもらえたりします。 特に、意図的な隠蔽(重加算税)を疑われないよう、客観的な事実(取得費の資料など)を整理して対応してもらうことが重要です。
デメリット: 税理士への依頼費用はかかります。しかし、税務調査で不適切な対応をしてしまい、本来よりも多額のペナルティ(特に重加算税)を課されるリスクを考えれば、専門家に依頼する費用は決して高くないと言えます。静岡市にも、不動産売却(譲渡所得)に強い税理士事務所は多くあります。
静岡市の確定申告で悩む前に知りたい「不要なケース」
ここまで、不動産売却の確定申告をしないことのリスクを強調してきましたが、冒頭で述べた通り、確定申告が「不要」なケースも存在します。ご自身がこのケースに当てはまるか、正確に確認しましょう。
利益(譲渡所得)がマイナス(損失)で、特例も使わない場合
不動産売却の確定申告が法的に「不要」となるのは、原則としてこの1つのケースのみです。
譲渡所得(利益) = 売却価格 - ( 取得費 + 譲渡費用 )
この計算式の結果がマイナス(損失・赤字)になり、かつ、その損失を給与所得などと相殺する「損益通算」や「繰越控除」の特例も利用しない場合です。
利益が出ていない(=納めるべき税金がない)のですから、確定申告の義務はありません。 ただし、この場合でも税務署から「お尋ね」が届く可能性はあります。その際は、「計算した結果、譲渡所得はマイナスでした」と堂々と回答すれば問題ありません。
【注意】利益が出ているかどうかの計算は慎重に
「自分は損失が出ているから、確定申告はしない」と自己判断するのは、実は非常に危険です。 なぜなら、「取得費」の計算が間違っている可能性があるからです。
特に危険なのが、「取得費が分からない」ケースです。 例えば、何十年も前に親が購入した静岡市清水区の実家を相続して売却した場合など、購入時の売買契約書が見つからず、取得費が不明なことがあります。 この場合、税務上のルールとして、「売却価格の5%」を取得費とみなす(概算取得費)ことになっています。
例えば、2,000万円で売却した場合、取得費はたったの100万円(2,000万円×5%)とされてしまいます。 ご自身は「親は2,500万円で買ったはずだから赤字だ」と思っていても、それを証明する書類がなければ、税務署の計算上は多額の利益(約1,900万円)が出ていることになり、確定申告をしないと「申告漏れ」としてペナルティの対象になってしまうのです。
確定申告を「しない」という判断は、取得費を証明する客観的な書類(売買契約書など)が手元に揃っている場合にのみ、慎重に行うべきです。
まとめ:静岡市の不動産売却で確定申告をしないとリスク大!不安ならまず相談を

静岡市で不動産を売却したにもかかわらず、確定申告をしないとどうなるか、その重大なリスクについて解説してきました。
- 不動産売却で利益(譲渡所得)が出た場合、確定申告をしないと「違法」です。
- 利益が0円でも、「3,000万円控除」などの特例を使うためには、確定申告をしないと適用されません。
- 損失が出ても、「損益通算」で税金を取り戻すためには、確定申告をしないと損をします。
- 確定申告をしないと、「無申告加算税」「延滞税」、悪質な場合は「重加算税」という重いペナルティが課されます。
- 申告しなくても、法務局の「登記情報」などから税務署には100%バレます。
- 申告を忘れたことに気づいたら、1日でも早く「期限後申告」をすることが、ペナルティを最小限に抑える最善の策です。
- 「損失が出たから申告しない」という自己判断は、「取得費」が不明な場合に大きなリスクを伴います。
不動産売却の確定申告は、静岡市にお住まいの方にとっても、非常に複雑で不安な手続きです。しかし、確定申告をしないまま放置することは、金銭的にも精神的にも、将来さらに大きな不安を抱え込むことにつながります。 ご自身の計算が合っているか不安な方、期限を過ぎてしまいどうしていいか分からない方は、私たち不動産のプロや、税理士にご相談ください。
株式会社森田不動産は、静岡市の一戸建て、土地、マンション売却・査定をサポートしています。静岡市の不動産売却・査定は株式会社森田不動産にお任せください。
